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「グノーシア」プレイ雑記(ネタバレ含)

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画像は「グノーシア ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)」より引用(画像URL

プチデポットが開発した人狼ゲームライクなアドベンチャーゲーム「グノーシア」をプレイした。
お気に入りのゲーム実況者さんがプレイしているのを見て、面白そうだったので自分でも購入してみた。
Nintendo Switchのダウンロード版でプレイした)

d-mebius.com globule.info store-jp.nintendo.com

結論

  • 人狼ゲーム未プレイでも、ゲーム内で学習する機会がある
  • 癖のあるキャラクターと、魅力のあるストーリー
  • 値段もそこそこお安い(2750円)
  • ボリューム感もしっかりある
  • 1プレイ5分〜15分ほどで気軽に遊べる

と、かなり満足できるゲームだった。
回収できていないCGや主人公の性別依存のイベントもあるので、そのうち2週目も楽しんでみようと思う。

その他感想

以下、ストーリーやキャラクターなどもろもろの感想を。
ネタバレを含むため、了承の上ご覧ください。

システム・プレイ感

システム部分

インターフェイスはストレスを感じさせない作りになっていて、操作していて気持ちよかった。
投票画面で投票先のキャラクター名と背景のキャラクター画像が重なって見づらいことがあったが、まあ些細な問題に過ぎない。

ある程度ループが進むとゲームの「初期条件設定(各役割の有無・人数設定など)」を指定することができるので、「特定の条件を満たしてイベントを進めたい」「少ない投票回数でゲームを終わらせて経験値を稼ぎたい」等目的にあった設定ができるのも助かった。
そして何より、「イベントサーチ」というイベント回収向けの条件設定システムがあったことがありがたかった。

「繰り返しプレイ」への工夫

ゲームの特性上、同じ遊び方を100回〜200回ほど繰り返すことになるのだが、こちらにも「キャラクターが段階的に強くなる」「特定条件下で例外的なイベントが発生する」等の工夫が施されていた。
とはいえ、同じ遊びを百数回と繰り返すのは少し辛かった…途中から推理をせず感覚頼りでプレイすることが増えていった。
(数週間に分けてプレイするとこの辺の問題は起きないと思う)
ちなみに、163周のプレイでクリアしました。

リスペクト元の人狼ゲームはあまりやったことがなかった(遊ぶ人がいない・セオリーが理解できない等の理由で忌避していた)のだが、ゲーム内のマニュアルやチュートリアルが充実しているため、困ることなく遊べた。
むしろその手軽さ・奥深さからやめ時がわからないほど魅力を感じてしまい、どんどんプレイを重ねていくことに…
結局、2日かけてエンディングまで突っ走ってしまった。
プレイ時間は20時間ほどでした。

キャラの思考ルーティン

少し苦戦したのが、「初日にエンジニア/ドクターをコールドスリープさせようとすることがある」ということ。
だいたいは「嘘をついていると見抜いた」ことが理由になるのだが、プレイヤーの直感パラメータ如何ではスリープさせられた人が本当に嘘をついているのか不明な時がある。
「嘘を見抜いたのかな」と推測はできるが、なにぶん確定事項ではないため、この状況になると少し身構えないといけない…

演出

このゲームの特徴のひとつとして、議論における各発言コマンドに応じて、画面や効果音の演出が行われる。
これがゲームに臨場感を与え、没入感を増大させるのだ。

個人的には、中盤から多用される「同意を求める」「反撃する」「反論を封じる」あたりの演出に心惹かれた。
キャラクターに意思があるかのように見えて、強いプレッシャーを感じる。

また、グノーシアが判明した際に流れる効果音は耳を打つものがあり、毎回緊張感を覚える。
前述のように感覚頼りで流しプレイをしている時も、この時ばかりは慎重に推理をしていた。

音楽

神秘的な音楽が、宇宙のイメージやキャラクターデザインとマッチしていると感じた。プレイを邪魔せず、聞いていて心地が良い感じ。
芸が細かいな〜と思ったのは、プレイヤーが「絶対に敵である」「絶対に人間である」「不明である」というそれぞれの場面で流れる音楽が変わるところ。

特に「絶対に敵である」の宣告時に流れるBGMは、敗戦ムードあふれる曲調に聞こえる。
何も発言できない状態にBGMの哀愁が重なり、コールドスリープを待つだけの絶望をよく表していると思う。

ストーリー

引き込まれるものがあって面白かった。
謎として登場する各種設定について、ストーリー内で不足なく説明されていた。
これにより、消化不良なく爽快な読後感を得られたように思う。

特定の条件下でのみ発生するイベントなど、キャラクターの性格を多面的に見られたのが面白かった。
コメットの粘菌が暴走する・ククルシカがレムナンと留守番になると全員を殺害するなど、運が悪ければかなりの回数プレイしないと見られないような特記事項もあって、なかなかやりがいがあった。
私のデータだと、SQの特記事項がそれに該当した。ああ大変だった…(全然埋まらず、思わず攻略情報を見てしまった…)

グノーシアが0人の宇宙に初めて訪れた際、皆が仲良く過ごしていたのは感慨深いものがあった。
それまで疑心暗鬼にプレイを進めていたので(前ループの恨みで、今ループではグノーシアとは無関係のキャラにわざと投票してみたり…)、希望が見えた。
長期のループで気持ちが少しだれてきていたところがあったので、中盤〜終盤に向けて再びやる気を出すいい機会になったと思う。

ノーマルエンドでは、エンディング中に各キャラクターの後日談が記されていたのが本当に良かった。
ファイアーエムブレムシリーズみたいだな〜って思った。
このタイプの演出には弱いんだ…作中で、各キャラクターが勝利後に「これからはこんなことしたい!」とか言うから余計にね…

ノーマルエンドはもちろん、真エンドではセツにも救いがあってよかった…
真エンドを見るために必要な「クリア後に新規データでプレイを開始する」という選択も、扉および次元に関する設定と相まって一体感があった。

感心した点

特に感心したのは以下のあたり

  • セツのループは主人公によって始まったものだったこと
    • これに限らず、主人公とセツのループに関する時系列は想像してみるといろいろと楽しい
  • 「グノーシア」の正体が、電脳化した人間の集合体「グノース」の使いであること

気になった点

逆にちょっと気になったのは以下のあたり

  • 「バグ」の役割について
    • 「主人公は二人いて、それが原因で発生した」という設定が面白かった
      • 他の役割と比べると少し浮ついた設定のように思えたので、知らされた時には「ああ〜それなら合点がいくかも」と感心させられた
    • 主人公以外のキャラクターが「バグ」となる原因がよくわからなかった(治療ポッドにいるもう1人の主人公はどのループにもいたんだよね?)
      • バグが発生した原因は主人公由来だが、バグという役割になる原因はまた別のところにあるのかもしれない
      • 人狼にも存在する役職なので、細かな設定の詮索は不要な気もする
  • 「主人公が二人(ただし同一人物)存在する」という設定は、少し突拍子もないように感じた
    • 「主人公(という名を冠したNPC)は元々存在していて、『プレイヤーがゲームを新規に開始(=ゲーム内に参加)』した結果、プレイヤーの存在がゲーム内に追加された」と考えれば整合性は取れる気がする
    • ただし、前述のように「バグ」の発生原因としては上手な設定だと思う

キャラクター

セツ

夕里子狙いで目立って吊られすぎなんだよてめえ!!
↑夕里子から「生き残ったらグノーシアの正体を教えてやるよ」って挑発されるイベントで、4ループぐらい苦戦してた。

敵対関係にあっても「上位の概念(ループのメタ的視点)では仲間だよ」と言ってくれる姿は非常に頼もしかった。
「ループを共有している」というのはやはり重要で、いつも丁寧な言葉をかけてくれて、その割にちょっとドジなところがかわいらしく好感度が高かった。
(軍人としてはちょっとどうなんだろう…って思うけど)

真エンドで救いがあってよかった。本当に。
最終的にはすごく成長していて感慨深かった。
終盤に「主人公といたループをなかったことにしたくない」みたいなことを言っていたと思うんだけど、それが活きる展開になっていたと思う。

ジナ

グノーシア時の1人で宇宙に身投げするイベントがすごくかっこよかった。
(ゲーム終了後、船が破損して危機的状況にあるところを、自ら宇宙空間へ出て船を修理するやつ)
どんな立場にあっても、最初から最後まで自分の意思を曲げない強い子なんだな〜って思った。

意図が読みづらくて、積極的に投票しに行ってしまった…ごめんよ…

SQ

セツを差し置いて、好感度No. 1のキャラクター。
泣きじゃくりながら「大好き」って本当にズルいと思うんだ…
それまでセツ派だったけど、一瞬にしてSQ派になってしまった。
2人で一緒になって、そこでループが終わる話も見てみたいなあ。
しかし、協力を持ちかけて上げる→グノーシアイベントで下げる→疑心暗鬼のところを協力イベントで再び上げるって、まさに魔性のヲンナやで…

協力イベントについて、「SQと最後まで生き残る」って条件はなかなか厳しかった(3ループぐらいしたと思う)。
その分、達成した時の嬉しさもひとしおなので、迷わずSQを抱きしめることにしましたとさ。

嘘を見破られることで発生するイベントについて、出現条件が全然わからなくて攻略情報に頼ってしまった。
SQの特記事項がほぼ出ないまま100ループほどして、主人公の演技力パラメータも伸ばしていたので、SQが嘘を見抜けない状況が発生していたのかもしれない。

嘘を見抜きにくく、敵になったら厄介なタイプだった。
人間2人・グノーシア1人の状況下で、嘘を吐いていたSQにやられた場面が何回もあった…

ラキオ

人を挑発するような物言いをするけれど、個人的には結構好きなキャラクターだった。
人間側にいる時はそのロジックの高さが結構ありがたかったりする。
「仲が良くても疑ってくる」と説明文にはあったけれど、あまり疑われたことはなかったように思う。

(認知の歪みを治すため)夕里子にアイアンクローをされるイベントがあるのだが、(襲撃等でイベントが中断されると)2回目以降は「あっ!ラキオがまたやられてる!」のセリフと共に省略される。
イベント完了まで5回ほど目撃したのだが、シュールすぎて段々笑えてくる。

嘘を吐く頻度が高い・ヘイトを買いやすい傾向があって、自滅する機会が多かった。
そこまで脅威に感じたことはなかったかな…

ステラ

キャラが薄めかと思いきや、意外と見せ場のあるキャラクター。
粘菌イベントで、身を張って仲間を守ろうとしたのが印象的だった。

怪しまれることが多かったので、クロな人物が見つからない時に積極的に投票していた。

しげみち

見た目からしてコメディ色の強いキャラクターで、多くの笑いを楽しませてもらった。
協力を持ちかけられると「そういうので利用されてばかりいる」みたいなことを言うので、意外と闇の深いところがあるのかなあ、なんて思ったり。

誰かが疑われると即かばいにいく傾向があった。過去の利用されてばかりいた経験から来る博愛主義なのかな。
他のプレイ環境ではよく投票される傾向にあるようなのだが、意外とそのような感覚は覚えなかった。
「疑ったタイミングで票を集めやすいため、安全牌として確保しておき、投票するのは後回しにする」というプレイングの影響もあると思う。

シピ

立ち絵を見た時に「猫の位置おかしくない?」と思ったけど、まさか融合していたとは。

嘘発見機で、かなりの頻度で嘘を見抜いていた。すごい。
敵に回ると意外と手強かった。良くも悪くも印象が薄い…
誰かが疑っているタイミングでなるべく便乗するようにしないと、なかなかコールドスリープさせることができなかった。

コメット

明るい性格とは裏腹に、過酷な生育環境で育ったキャラクター。
性格が深く出るイベントがグノーシア陣営の時に限定されているのはなかなか面白かった。

嘘発見機2号。こちらもそこそこの頻度で嘘を見抜いていた(パラメータ的にはコメット > シピ っぽいけど)。
疑われやすい傾向にあるようだが、グノーシア陣営で仲間の時はほぼコールドスリープさせられていなかったように思う。
主人公のカリスマ・ロジックに流されていたのかなあ。

ジョナス

ちょっと頭がおかしい人… ステラが人型端末だと判明した時の会話や、ククルシカを譲り受けた話は面白かった。
世俗から離れていた様子なので、会話の通じなさもそれを反映させたものだろうか。

ループ序盤はコールドスリープさせやすいのだが、中盤以降は敵として回るとちょっと厄介だった。
やはり正体が見えないのが辛いところ。

ククルシカ

可愛らしい見た目とは裏腹にかなり恐ろしいキャラクター。
「レムナンと留守番をすると全員を殺害する」というイベントが謎だったのだけれど、以下のことからレムナンと二人きりになりたがる…ってことなのかしら。恐ろしや。

  • (真エンドで)SQの母親の人格を入れ込まれているため、レムナンと二人きりになりたがる
    • 銀の鍵も手に入れているため、ループの記憶を保持している(=SQの母親の人格はループしても消えない)

「あれ、主人公に票がついてる」と思ったらだいたいこの人。
怪しい時は他の人が疑いをかけるので、そこに便乗するとだいたいコールドスリープできたような気がする。

オトメ

夜に会いにいくと、だいたい歓迎してくれるので非常に愛らしかった。
「バグがいるから、グノーシアにばかり投票しない方がいい」と提案→しかしグノーシアへの投票は止まなかった→ゲーム終了→「実は私バグなんです」の流れを展開されたことがあり、なかなか恐ろしいことをするキャラだと思った(偶然だろうけど)。

敵でも味方でもとにかく票を集めやすかった。
ステルス・演技力どちらも低いために、怪しい行動が目立ったのだろうか。

沙明

第一印象は「欲望に忠実なヤツ」、最終的な印象も「欲望に忠実なヤツ」。
でも粘菌イベントの時はかっこよかった。女性主人公だと恋愛関係の選択肢があるらしいので、一度見てみたい。

ククルシカ同様に、好き嫌いで投票している節があるように見える。
プレイヤー視点でのみ敵だと確定している状態でコールドスリープまで持っていっても、土下座で時間を稼いでくるちょっと嫌らしいやつ。
グノーシアでプレイする時は、ステルスの高さを警戒して早めに襲撃していた。

レムナン

なぜか夕里子の下僕として仕える様がよく似合う…気がする
(過去にSQの母親から似たようなことをされていた様子だったので、本人は嫌がると思うけど…)

他のキャラにも言えることだけど、重い過去を背負っているキャラクターが多いな…
特記事項が最後まで埋まらなかったため、攻略情報を確認してしまった…まさかかばう選択肢がトリガーになるとは思わなかった。

嘘発見機3号。1人では影響力がないのを理解しているのか、主人公に伝えて共闘しようとすることが多い印象がある。
なんだかんだ最後まで生き残っているイメージがあるかも。

夕里子

なぜか様付けで呼びたくなる。
高慢ちきな態度の裏にはどこか寂しげなものがあるように見える。作中でももっとその辺を見てみたかったかもしれない。
いや、多くを語らず「謎」のままのほうが、夕里子っぽいっちゃ夕里子っぽいかも。

主人公の役割が「バグ」の時に夕里子のところを訪れると、能力値の振り分けができる。
この条件に終盤まで気づかず、なかなか苦労させられた…(確率で発生するものだと思っていた)

他への影響力が強いので、敵でも味方でも厄介な時が多かった。
ただ、賛成されない時は1, 2人しか賛成されないので、能力の発揮にはムラがある印象(終盤で他のキャラクターのパラメータが高かっただけかもしれない)。
グノーシア時は優先的に襲撃していた。